近大福山中学高校の塾対象学校説明会

 校長先生のお話から。
 この人、生徒に人気ないだろうなぁ、と、つい思ってしまう「つまんない話」をたんたんとお話なさる。現役の時には意外と熱血教師だったのかもしれないけれど、近大福山をどんな学校にしたいのか、ビジョンや夢がぜんぜん伝わってこない。枯れた管理職で上がりを待つだけ、といった風情が残念であったよ。
 次は、今年度から新設した、中学1年難関進学クラスの担任であり、学年主任である先生。歯切れはいい、しかし、合間に入る楽屋落ちの話がいただけない。「笑い」をとる句読点にならないで、テンポを外していた。さらに無自覚だから場はシラケていく。色々喋ってるんだけど「凄いクラス作り」をしているという意欲が伝わってこないし、「生徒たちがどんどん伸びている」という感触も得られない。「ふうぅん、そうですかぁ」という程度の感慨しか湧いてこない。説得力がない、と言うより、とにかく話が軽くて心に響かない、と言うしかない。
 「勉強」はもちろんだけれど、「クラブ」も頑張れるバランスのとれた楽しい学校生活を送れます、という八方美人的な主張が、拡散して収束しないから、とりとめのない印象を受けてしまったのだろう、と思う。
 伝統というべき濃い校風もなければ、宗教的バックボーンもないから「これが近大福山」というアイデンティティがいつもながら不透明。一時期、ガリガリの進学校をめざしていた時期もあったけれど、今は昔。近畿大学の附属校であることを強調する分だけ、学校のイメージはどんどん分裂していく。
 だから、中学3年から高校へあがる段階で、一部の優秀な生徒たちが外部受験して出て行くことになるんじゃないかしら。もっと彼らをガチッとひきつける魅力ある学校づくりをしていけば、もっとよい学校になるはず。惜しいことだ。
 選抜クラスをつくっています、さらに、今年から難関進学クラスもつくりました、広大附属福山にも対抗できる、もちろん誠之館にも負けない受験指導をしています、という学校側の対外的な宣伝戦略の足元から零れ落ちているのは、生徒と教師の絆の構築であったり、学校に対するトータルな(より人間的な)魅力の醸成であったりするのだろう。工夫していることはよくわかる。担任がひとりひとりの生徒をこまめに指導しようとしているのは疑いようがない。にもかかわず、生徒の学校全体に対する信頼感があつくならないわけがあるような気がする。
 最後に、ひとこと。
 近畿大学の人が来て、近畿大学の学校改革を語った内容は、それなりにおもしろかったけれど、近大福山中学・高校そのものの学校改革を同じくらい熱く語るべきだったんじゃないでしょうか。「人のふんどしで相撲をとるな」って言っちゃぁ言いすぎでしょうか。僕は、いつも1部の説明会で帰るので、2部の懇親会でどんなお話がでているのか、さっぱり知らないのですけれど、そちらでお話をうかがうと、また、違った感想を抱くのかしら。できれば、1部の説明会で勝負するっていう姿勢でやりぬいて欲しい。