今朝、吉田拓郎のコンサートをNHKで観た。

 30何年かぶりに、静岡県掛川市の「つま恋」でコンサートを開いたんだそうな。僕が中2(1973年)の頃、すごい人気だった。若い人の歌う歌が、社会派の「反戦フォーク・ソング」から、「身の丈にあった人生フォーク・ソング」に転換していく時期だったような気がする。
 吉田拓郎のアルバムは、姉の買ったものが家にあったような気がする。熱心に聴いた記憶はない。ワイルドな感じがして中学生の頃は好きになれなかった。高校の頃は、もっとマイルドな「かぐや姫」「風」を熱心に聴いていた。だから、今朝、テレビでひさしぶりに伊勢正三氏が歌う姿を目にしたときは、さすがに胸があつくなった。薄っぺらな感傷。一瞬の追憶と忘却。
 ただ不思議なことに、浪人時代、僕はたったの三本のカセットテープしか買わなかったのだけれど、それは、吉田拓郎のライブと、中村紘子のショパンと、なぜかポールモーリア・グランドオーケストラのベスト盤。支離滅裂な組み合わせが笑える。たぶん、まさに支離滅裂な精神状態だったにちがいない。そういうわけで、吉田拓郎さんにはお世話になった。たぶん、中村紘子さんよりポールもーリアさんよりその恩は深い。
 コンサートの終わり近く、我らが歌姫、中島みゆきが舞台に現れたのにはのけぞった。拓郎さんに提供した曲をジョイントするために登場。いやはや、かたや金正日氏も演じられるか、というカリスマと、時代とシンクロした妖艶な巫女が、ふたり並んで歌っているじゃないか。この曲は手に入れなければなるまい。と強く思った。
 なぜか、番組終了後、気分よく三人分の朝食を作った。勤労感謝ってわけじゃぁない、ただの気まぐれ、ただのなりゆき。

 ということで、きょうは店じまいです。私的な話題でスミマセンデシタ。