数年前、

 高校生の女の子がブーツをはいて塾に来たとき、ちょっとばっかり驚いた。二年前、中学生がブーツをはいて塾に来たとき、もうちょっと驚いた。今年、小学生がブーツをはいて塾に来ても、もう驚かなかった。確か小学校四年生の女の子が自信満々に言っていた。「先生、子ども用がちゃんと売ってんだから!!!」そうでしょうね。

 でも、中・高生が「ヴィトンが.....ブルガリが....」とか口にするのは未だに慣れない。知っていて悪いことじゃない、と、思う。ひょっとしてクリスマス・プレゼントにもらえるなら、それはそれで素敵なこともかもしれない。
 でもなぁ、そんなこと、大人になったらいくらでも知る機会があるだろうし、買う機会だって必ずあるだろうし、うまくいけばプレゼントされる機会だって、今以上にあるだろう。
 だから、まぁ、子どもの間は何でもいいのじゃないでしょうか。
 昔、昔、まだ坊主頭の高校生の頃、フィリップ・ロスの、「グッバイ・コロンバス」を読んだとき、主人公の少年が「バーバリ」のレインコートを着ていたのだけれど、何にも知らない田舎の少年は、それが何を象徴しているのかさっぱりつかめなかった。だから、よく理解できないまま読み終わった気がする。わけのわからん話、という思いしか残らなかったような気がする。
 しょうがない、因島にデパートはなかったし、都会のデパート(当時は、福山が途方もなく都会だった!サントークを歩くだけでドキドキした)に行く機会もなかったし、メンズクラブを知ったのは大学に入って矢作俊彦原作のコミックを読んでからだし、、、
 まぁ、そういうこともあるから、知っておくのは悪いことじゃない、とは思う。

 あぁすみません。素晴らしく気の重い状態が続いていて、お馬鹿などうでもいい話しか、書けません。
 塾の情報を求めている方、あいにくでした。
さようなら コロンバス (集英社文庫 ロ 1-1)