倍率

 選抜Ⅰの倍率、誠之館が四倍を超えているのに対して、大門理数が二倍を切っている、と生徒が言った。
 誠之館が、広島県東部の広域エリアのトップ校であるのに対して、大門・理数は福山東部限定という違いだと思ったけれど、曖昧に、まぁ「格の違いだろうねぇ、学校のレベルの差のあらわれだろう」と言っておいた。
 しかし、今年のセンター試験の自己採点の結果を報告に来た誠之館の高3生が、「先生、今年の誠之館は実績ダウンしますよ、僕の周り、みんなセンターでしくじってました」と、あまり歓迎したくない話をしていた。彼の周囲限定の話であってくれれば、と願う。みんなの憧れの学校にはしっかり実績を出して欲しい、と思う。

 「定員割れなんてショボイ」と福山市立中学の中3生がいった。選抜Ⅰと同日にある福山市立高校の志願者数が、定員割れになったらしい。89名募集で82名とか。
 「へぇ、全員合格じゃん」と言うと
 「いえ、それでも実力のない子は落とすそうです」と別の生徒。
 今年はLECから受験者がいないから、まったく高みの見物だけど、市立が選抜Ⅱから抜けたおかげで、葦陽高校の志願者が急増する余波を受けることになりそう。個人的にあまりおもしろくない。だから腹いせに文句を言うわけじゃないけれど、もっと生徒を集める工夫をするべきだったのじゃないかしら。
 中学受験で七倍ぐらいの志願者を集めているのに、高校受験で「定員割れ」って変でしょう。中学入試でしくじった子たちのリベンジ・マッチがもっと熱くおきてもよかったはず。でも、おきなかった。冷え切っている。たぶん公立中学サイドの進路指導で絞りこみすぎたせいだと思う。安全志向の強い公立中学の指導方針では、進学データのない学校の受験は嫌われても仕方ないもの。でも、今年の定員割れを受けて、来年は、一気に志願者が増える。そして、再来年はまた減って、やっと適正規模になるかもしれない。つまり過渡期にあるといえばあるといえる。それは確かだ。
 しかし、地域のモデル校を目指しているという意気込みからすると問題もあるよね、市議会でとりあげるほどの話題じゃないとは思うけれど、在校生が「ショボイ」と言いたくなる気持ちを汲み取ってやって欲しい、とは思うな。自分の学校の人気が高いほうが気分はいいはず。「難しそうで敬遠されただけだよ」って言ってやればよかったかもしれないけれど、どうも、それだけじゃないようなところもあるしなぁ。学校説明会の様子は以前に報告したけれど、盛り上がりに欠けていた雰囲気どおりの倍率になったと言ったら言いすぎかしら。
 せっかく出願した子たちが全員合格できたらいいけれど、実力のない子が落とされても当然だとは思う。でも、そのときは、合格最低点をはっきり明示して欲しい。

 広大附属福山中学・高校の倍率も気になって見た。
 まず中学、男子599名、ほぼ10倍。女子516名、ほぼ8.6倍
 次は高校、例年80名程度の合格者に志願者309名。過去最低の人数。(昨年は371名、一昨年は343名)今年は、広島市の広大附属高校や東広島市の県立広島と受験日が重なったせいで、ぐっと減った。でもまぁ、例年30名ほど出る合格後の入学辞退者分だけあらかじめカットされたと考えれば、それほどの減少でもないだろうと思って調べてみると、
 昨年は、追加合格者・入学者が41名もでていた。だから、入学許可をもらった人間は371名中122名も出たことになって倍率3.04倍、三原附属中枠(20名)をのぞくと一般受験者は351名中102名、実質倍率3.4倍だった。
 今年は、辞退者ゼロを前提に考えると、予想される合格者数80名のうち、三原附属中枠(20名)をのぞくと、実質60名枠を290人ほどで争うことになるのでほぼ4.8倍。あちゃー!である。
 まぁ、実力のある奴が合格すればいいのであって、実力がなければ不合格になるだけの話。倍率を気にしたところで、教え子らの合格可能性がアップするわけではない。合格者平均点をとれば、合格できる!それで十分だろう。

 LECボールキッズはきょうは11:30まで頑張った。途中、くじけそうになったところを、強引に引っ張って苦手な社会の演習を反復した。
 やるしかない、やるしかないんだってば。