暁の星学院

 土曜日の授業を一部振り替えて出席。(16年目なので、もうそろそろお願いしてもいい頃だと思うのですけれど、平日の午前中に塾対象の学校説明会をしていただけると、助かります。よろしくご検討ください。個人塾の塾屋にとって土曜日の午前中はとても動きにくい時間帯なのです。)

 で、当日のこと。いつもより早めに着いた。一番後ろの隅っこでぼーっと会場を眺めていた。BGMはモーツアルトの弦楽四重奏だったような記憶。集まりが悪いなぁ、開始時刻寸前にどっと来るんだろう、と全く疑いもしないで思い込んでいたら、定刻になっても全体の三分の二程度しか埋まっていない。おいおい、本気かよ。と、目を疑った。しかーし、リアルな現実。人気ないんだなぁ、と実感。
 15年ほど前、講堂いっぱいの保護者と生徒の熱気でむせかえるような雰囲気だったことを思うと、ずいぶん様変わりした。まだ坪倉先生がご健在で、その威風堂々たる学校紹介を超満員の保護者・児童一同が水をうったように静まり返って拝聴していた。
 校長先生のお話は、見事に全く例年通り。「魂の教育」というフレーズが耳に新しかった。うーむ、と考え込む。生徒指導に手を焼いている昨今の暁の星の現状を側聞する人間としては、その言葉が上滑りにならないように願うばかりだ。暁の星スピリッツ、とでも呼ぶべき、凛として際立つストイシズムが、見るも無残に急速に形骸化しつつあるように思えてならないから。
 過去、冗談半分に、もう暁の星の生き残る道は、男女共学化しかない、と口走ったこともあった。生徒の学力水準が長期低落傾向にあることが理由だった。男子を入学させれば、学力下位層の女子が消えるかわりに、中・上位層の男子を獲得できるのではないか、と単純に考えていた。
 しかし、敢えて今年は言いたい。もっと根本的な認識の変革が必要だ。
 戦後、母体となった修道会のシスターたちが宗教的情熱から目指した中高一貫の女子校の社会的役割はすでに失われているように思う。だから、それを明確に認識しなければならない。したがって、新しい教育理念をたちあげ、新しい学校像を構築しなければならない。
 このままでは、ジリ貧は免れない。ひとりひとりの先生方が超人的な努力を発揮しても、学校のトータルデザインが時代に合っていなければ、その努力が実を結ぶことはたいへん少なかろう。それゆえ、宗教的な親和力、時代を切り開く力強さ、かつて暁の星に存在した美質が今後いっそうくすむことはあっても、往時の輝きを取り戻す可能性は非常に小さいように思う。
 10:30の授業に間に合うように退出したので、全部お話をうかがったわけではない。何か聞き漏らしているかもしれないし、誤った判断もあるかもしれない。ご批判、ご意見のある方はたくさんいらっしゃるだろう、と思う。よろしければコメントをお寄せください。