小4男子1名が新たに小5に参加

 午前中の懇談でお母様のお話を伺いながら、急遽、小4男子を1名、小5クラスに塾内留学させることに決めた。前々から検討課題ではあったのだが、踏み切るきっかけに欠けていた。漢検4級受験直前一週間の取り組みを伺い、決心がついた。彼の4級合格は、まぐれでも偶然でもなかった。真摯な取り組みの結果であって、小5に留学するにふさわしいたくましさを発揮した、と考えた。
 これで、小4の生徒が3名、小5に在籍することになった。さて、どんな化学反応をおこせるか、楽しみなことだ。

 小5の生徒もよく健闘している。小6・小5共通試験をおこなったところ、さすがに上位4名を覆すことはできなかったものの、第5位から8位までは小5生が並んだ。4教科400点満点で、300点以上に4人が僅少差で並ぶあっぱれな結果は称賛に値する。
 
 塾屋としては、小5と小6が混交しているリストの中段から下に、LECの抱える問題点、村上の学習指導の欠陥と偏りをみることになる。生徒がLECの学習を通じて自信をつけ、問題解決能力を高めることに失敗している惨状が物語るのは、「いつだってテストで試されているのは生徒の学力ではなく村上の指導力であり、打たれ強く敗者復活戦を戦い抜かなければならないのは村上自身である」ということだ。

 小6の男子生徒が帰り際に言った。
 「じゃぁな、先生!」その生意気な言い方にカチンときたけれど、
 「ああ、じゃぁな」と受け流した。
 反抗期突入で、日々何かとブイブイふかしている。それが時にコミカルに映るので憎めない。あるとき、あんまりうるさくとんがるので、「あーわかった。じゃぁもう帰れ」「帰っていいん?」「あー、さっさと帰れ。邪魔だ」と邪険に突き放すと、「いや、帰らん」と言うなり、急に態度を改め、黙々と問題を解き始めた。あまりの豹変ぶりに思わず苦笑した。今どきこんなにわかりやすい純な少年もいない。まっすぐに反抗期を突き抜ければ、きっとひとまわり大きなしっかりした青年に成長するだろう。

 中3Bの演習が終わるころ、外は雨だった。
 自転車で来ている女子に、カッパを貸そうとすると嫌がること。「絶対、着ん、死んでもいやだ」必死に抵抗する。「風邪をひいたら元も子もない。親に電話して迎えにきてもらえ」「いや、迷惑かけちゃぁいかんけぇ」としおらしい。一般に男子生徒が臆面もなく親に頼ることが多いのに比して、女子生徒には自力で何とかする子が多い。この子もそのひとりというべきか。「じゃぁ、傘貸して下さい」ということで、塾の傘を手に取って彼女は塾を出た。どうか無事に帰宅しますように。

 10:25
 残る生徒は、中学生が二名。高校生が二名。
 「撤収」を告げる。
 そろそろ終わりにしましょう。
 日はまた昇る。