高校初級

 不定詞の演習。前回の解説をさまざまな問題演習でチェック。と、そのとき、エアコンに、ちょっと大きな蛾、無視して授業を進めようか、と思ったけれど、生徒も気づいたので、尋ねてみた
 「無視して授業をすすめていい人?」 手があがらない
 「いますぐ処分して欲しい人?」 数名すかさず手をあげる。
 「捕まえて外に出して欲しい人?」 何人か手をあげる。
 手っ取り早く授業を再開したかったので、
 「これから僕が素手で捕まえて、外に逃がす。失敗したら前列に燐粉が飛び散るから、覚悟しといて」と言うと、「えええぇぇ、手で掴むんですかぁ」という予想通りの反応。
 さっと右手で掴み、ドアから外に放った。その後、手を洗ってから教室にもどり、
 「いいかい、このあたりの蛾に毒はない。素手で掴んでもたいしたことない。人は飢えれば蛾だって食べるぜ」と、あまり意味のない話をしてから授業にもどった。
 今さら子どもたちと自然との乖離を嘆いても始まらないし、彼らに豊かな自然体験を提供できる塾でもない。しかし、人は自然の一部であることを意識のうちに抱えているべきだし、それをスムーズに想像するきっかけは常に子どもらに与えるべきだと思う。
 塾で蜘蛛やヤモリを見かけたら、「リチャード」と呼べ、と言い出したのは、もう十年も前になるだろうか。蜘蛛やヤモリを、ただ汚いもの、不気味なものをみるような視点しかもてないことは、とても不幸に思える。何も「蜘蛛ちゃん」とか「ヤモちゃん」とか愛玩化する必要なない。不健全だとは思わないけれど、そんな趣味は僕にはない。けれど、生命体として、何かしら親近感を抱くことはあってよい、と思う。ゴキブリや蚊には無理だろうけれど。しょせん、程度問題なんだけれど。
 だから、これから教室で蛾をみかけたら、「モスラ」と呼ぼう。
 ということで、きょうは「モスラ記念日」。その正体は下のとおり。
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 ちなみに、上の画像は、中3の落書き小僧T君の作。昨日、教室を閉めようとすると、ホワイトボードに残されていたもの。