ヒノマル問題

 小6の算数であつかう文章題が、時間・距離・速さ に比を絡めた問題になった。速さの比と時間の比が逆比になることは、すでに暗黙知として定着している。しかし、長い問題文を読みながら使いこなすのは、そう簡単ではない。文章からグラフを描き、時間の比を書き込めば、突破口はすぐに見えるけれど、そこまでたどりつくのが大変。印象的な誘導が必要になる。
 そこで、実際の時間と、時間の比を区別するために、
 「はい、ここで比に丸をつけて解いていきます。はい、これはヒノマル問題でした、、、」(長い沈黙のあと、こらえきれずに自爆してプッと笑ってしまうと、子どもらは「字が違う!」とかなんとか、大喜び。目的は一応達成?)

 幸か不幸か、小・中・高と12年間、学校の行事で日の丸を見た記憶がない。ひょっとしてあったのかもしれない。しかし、記憶にはまったく残っていない。舞台正面に掲げられる日の丸を見るようになったのは、親になってからの気がする。
 しかし、これは確かだ。「君が代」は、ただの一度も斉唱したことがない。学校で習ったことすらない。だから、いまだに歌詞を知らない。オリンピックの表彰式の時にそれなりに演出された動画を目にすると、ついホロッと来ることもあるけれど、観賞の域を超えて集団で歌う経験は47年間ゼロ。
 日教組全盛時代に広島県で義務教育をすませてしまった恩恵(?)なのかどうか、さして不都合も感じないで生きてきたし、今後この国との付き合い方を変えるつもりもないから、たぶん、このままだろう。時にハミングぐらいはするかもしれない。でも、それ以上は想像できない。起立・脱帽を拒否する勇気ももちろんないけれど、ね。