ほどよく

 小6と中3が集合してそれぞれの課題演習。小6は適性検査の指導。福山市立中学を念頭においた注意点は以下のとおり。
 勝負は適性検査Ⅰ。学力試験ではないと言いつつ、算数の文章題というしかない問題をいかに攻略するか、で合不合は決まる。算数の得意な人間は、まず、文章題からとりかかって、時間配分をまちがえないように促した。また、特別に答案作りに凝る必要もないことを教えた。算数の問題は、基本的に式変形を正しく書いておけばOKだ、と。
 1月に入ってからは、資料を読み取る問題のコツを重点的に指導。ほっておけば荒っぽい感想しか書けない子どもらに、客観的な分析とはどういうものか、丁寧に教えた。また、意見と感想の違いを具体例を引いて教えた。何でもかんでも「〜をがんばる」式のまとめ方に走ってしまう、没個性的な表現を改めるよう強力に指導した。
 具体的でわかりやすい表現を楽々と駆使できる子もいれば、稚拙な言葉遣いすらおぼつかない子もいる。その差はたとえようがない。しかし、嘆くにはあたらない。彼らの生い立ちを取り巻いてきた文化的な環境と、持って生まれた表現力が圧倒的に影響する年頃を過ぎ、経験と身につけた知識と教養がきちんと機能する年齢になればその差はたいへん小さくなる。
 中学入試に間に合うかどうか、と言うことよりも、目指すべき道筋をはっきり示し、自分の立ち位置をしっかり確認することがより重要だといったら言い過ぎだろうか。