昨晩、英国留学中の安倍君が来訪。

 いつものようにグラッチェで歓談。
 彼曰く、「いやぁ、睡眠時間3時間ぐらいで一ヶ月あまり突っ走っていた頃は、ホントきつかったっす、ひとつ課題を提出したら、すぐ次の課題が迫ってきて追い詰められてました。食事ですか?僕の体の70%ぐらいがクッキーでできていた時期がありましたね、あと、紅茶と緑茶、睡眠不足で眠くなるんで、ガンガン飲んでました。試験が迫ると1000語ぐらいの英文を丸暗記してました。あらかじめ与えられた課題に対して、大雑把にカテゴリー別に書き出しのパラグラフを暗記していって、あとは、指定問題に応じて本論を細工するって感じで準備してました。とにかく、二時間で書きまくらなければならないんで必死でした。でもそれだけやってもCですからね。たぶん、俺が一番勉強してるはずなのに、Aよこせって思いました。ええ、男の意地ですね、もう。やり抜けたのは、なめるんじゃないぜっていう怒り。レポートの提出になると、デッドラインの二日ぐらい前まで、文献を読み込み続けるんです。すると、直前に神が降臨して、これだぁっていうブレイクスルーがあるんです。それから猛然と残り時間を見ながら、キィボードをカシャカシャ打ちまくるんです。英語の論文が自在に読みこなせるようになったのは嬉しいです。やっぱり圧倒的に情報量が増えました。日本語だと文献も少ないし、遅れているし、焼きなおしだし、、、新しい考え方とか、見方とか、英語でないと読めない論文が多いんで、それは、本当にものすごい違いですね。日本に帰国していて、イギリスに戻ると、脳の回路が違っていて、2,3日はダメなんです。英文がぜんぜん頭に入ってこない、リスニングももやがかかっていて、どうしても日本で聴くみたいに日本語に翻訳してしまう。でも、数日するとチャンネルが変わるんですよ、英語がそのまま脳の中に入ってくる感じです。こっちにいるとなんかのんびりして、脳細胞がゆるみます。向こうで必死でやっていると、脳が活性化しているのがわかります。福山でのんびり暮らすってのも悪くはないんですが、それじゃぁ僕は向上がないんで、、、」
 未来が君に微笑んでいる、たぶん、もちろん、不安や迷いが暗い影を落とす日もあるのは避けられない。でも、どこまでも一直線に夢を追いかけていけばいい、たった一度の人生だから、誰に遠慮することもない、親の脛をかじれる間は、とことんかじってやりたいことをすればいい、そうでなければできないことをやっているのは確かなのだから。誰もがごくふつうに就職し、ごくふつうに結婚し、ごくふつうに子育てをしなければならない道理はない。そこに守るべき幸せがあることは否定しないけれど、それに勝る夢があるなら、追いかけてもいいんじゃないか、そんな話で彼との話を締めくくった。毎年、年末の邂逅は、僕の大きな楽しみだけど、今年はひときわあたたかい気持ちになれた。ありがとう、安倍君。