これで終わりにしよう、と彼は言った。

 明日の学年末試験の出題範囲のテキストををいっしょにすすめていた。まだかなりページ数は残っている。そろそろ潮時かなぁ、と思ったところへ、上の発言。なるほど、微妙な空気を読み取る動物的な勘はあいかわらず鋭い。エンジンがかかってきたところだったけれど、ここで無理をしても始まらない。
 「だいぶ、わかってきた」の言葉を信じたい。