4月学力テストの

 全員の成績一覧表を午前中、教室内に貼りだして、ひとりしばらく眺めていた、が、結局はがしてファイルに収納した。成績を見て発奮する子も中にはいるだろう。成績上位層を伸ばすにはいい手かもしれない。しかし、成績下位層の子らは、どうだろうか。動機づけを強化するだろうか、無意味に感情的負荷をかけるだけで、行動の改善にはつながらないのではないか。表彰することと、見せしめにすることは違う。ぼんやりした子に刺激を与えるにしても、もっと快感原則を基調にしたやり方を採るべきだ、と思った。「頑張っていればいいことがある」と教えたい。数字をつきつけられなくても、子どもらは十分抑圧を感じている。それを減らしてやるのが塾屋の仕事であろう。意図的に増やすのは暴力に違いない。独裁者が独善的になるまいとする矛盾を露にしてしまうようなものかもしれないが、安易に競争心を煽るより、もっと地道に語りかけ、「気づき」を待ちたい、と思う。