本日は七名の方と懇談した

 受験を突破した中学一年生が、新しい環境に順応し、明るく楽しく学校生活を送っている話をお聞きするのは実に嬉しい。彼らはそれに値する努力をした、だから当然の権利として、その生活を楽しんでもらいたい。
 大学受験生の親の果たすべき最も重要な役割は、「態度のぶれないこと」であることを体現者として語る方から教えられた。目先の数字に踊らされることなく、最も深いところで子どもらを受け止め、「最後は俺が骨をひろってやる」と泰然自若として構え、子どもの奮闘を静かにあたたかく見守る力強さは、僕にはない。やがて当事者として避けられない現実に直面したとき、果たしてどこまで「ぶれずに」いられるか、想像するだに恐ろしい。なるべく邪魔をしないように、という消極的な発想で、切り抜けようとしている自分が、非常に姑息な責任回避をしているように思われた。
 塾屋は、生徒に教えられ、保護者に教えられ、そうして初めて自分の愚かさに気づき、ほんのちょっぴりまともになっていく。苦く恥ずかしく消え入りたい思いの代償として。