思い出のアルバム

2009小6

車の中で、偶然つけたNHKラジオで「思い出のアルバム」が話題になっていた。わが子の保育所や幼稚園の卒業を体験した母親たちから、「聴いて号泣した」、という感想が多数寄せられていた。

中1の休憩時間、「きょうが小学校最後の授業だから、写真を撮っていいですか」という許可をモリモリから求められた。一瞬、何のことだかよくわからなかった。村上の意識の中では、彼らはずいぶん前から中学1年生であったから。考え直し、どうやらきょうの授業が小学校卒業式前の最後の授業になり、それは彼にとって何か意味のあることらしい、ということがおぼろげに分かった。
「はい、どうぞ」と、少しうろたえながらこたえた。そのあと、せっかくだったので(何がせっかくなのか、うまく説明できない。別に感傷的な気分を盛り上げようとしたわけではない。ただ、理解できる範囲内で、彼が大切にしたい何かを共有するべきではないか、と思って)「思い出のアルバム」(youtubeでダウンロードした)を聴きながら、数学の小テスト(文字式)を行った。そして全員の集合写真を撮った。言ってみれば、私製卒業式、というべきか。彼らにとって、この1年は、中学受験という、とんでもない荒波にもまれた印象深い1年だったろう。そして、よき仲間に恵まれて、充実した1年でもあったろう。
まったく場違いな発言かもしれないが、「卒業おめでとう」と言っておきたい。
前途洋洋たる未来に、幸多かれ!