予定通り

 朝から、小6の授業。午前中のテーマは「速さと割合」。旅人算を5年生風に速さの差や和から考える発想と、6年生風に比を利用する発想と、ふたつの考え方を並行させながら問題を考える練習。問題文からイメージを喚起する力の弱い子には、並列的な解説は混乱を招く恐れがあるので、ちょっと慎重にならなきゃいけない。ただし、とりあえず色々な解き方があることは知っておいたほうがいい、とか、物事は多面的な見方ができることを教えたい、とは考えていない。とにかく正解を出すために、使えるものは何でも使え、と、教えている。結果的に、多様な考え方を身につけることになるし、本来、算数や数学を教える目的の一つはそこにあるけれど、今、この時期にそうした大義を語る気分にはなれない。僕の人間的限界だと思うけれど、「解いてなんぼ」という卑しい考えから脱却できない。だって正解を出し切れない多面的思考力ってありえないでしょう。一面的であっても正解を出せる子どもの方がハッピーな気分を味わえることは間違いない。その幸せ感がどれほど皮相的であっても、子どもの必要とする、自己肯定感、ゆるぎない自信は、そうした成功体験にもとづいている。ああ、子どもらがみんな教えたとおりにスパッと解いてくれたらどれほどうれしいか。