小6・算数・今年のスタイル

 算数の式の説明を促しても、説明できないどころか言葉すら何ひとつ出てこない。そういう子は、今までにもたくさんいたし、近年増えてきたとも思わない。しかし、今年から、時間をかけてもそうした説明能力の低い子が、きちんとその子なりの表現で、自分の作ってきた式を説明できるようになるまで、徹底的に指導しようと思っている。
 思考力を鍛える、と言えば、たいそうな話になる。が、そういうつもりはあまりない。そもそも自分自身の思考力にはなはだ懐疑的な部分を抱えているので、あまり大それたことは言いたくない。また、合格率をアップしたい、とあからさまに言ってしまうのも何か淋しい、ちょっとちがう、という気もする。敢えて言ってしまえば、算数のおもしろい授業をしたい、もっと算数のおもしろさを共有したい、ということになる。
 どうなるか、まったく目算がたたない。こうした試みは、えてして自己満足に終わりかねない。それははなはだまずい。ただでさえうぬぼれの強い性格だから、なおさら評価の基準がいる。客観的な指標をどこに設定するかということになると、どうしても模擬試験の偏差値をとりあげるしかない。しかないけれど、それでくくってしまっては零れ落ちていくものが多すぎるように思う。
 しかし、完全な指標を求めたところでありえないわけだから、偏差値で我慢するしかないかな、とも思う。釈然としないけれど、無視もできない。まぁ、それは、それでいい。すべからく、客観的指標なんてそんなもんだ。
 重要なことは、たぶん、僕の説明能力の向上と彼らの説明能力の向上はパラレルで、僕の説明がより洗練されていくことで、彼らの反応に変化が生じ、成長が具現化していくであろう、ということだ。僕が変化しないのに、彼らが変わることはない。それさえ忘れなければ、この試みは何がしかの成果を生む。

 明日から、工事がはじまります。
 いきなり壁をぶち抜きますから、よろしく。これがホントの ブレイク・スルー!!