市立福山中、繰り上げ最終日、「来た!」

 朝から続く9件の懇談と、1件の入塾案内(新小5)を済ませ、午後4時過ぎ、何かを待つ気分でぼーっとしていると、RICOHのM1氏とM2氏が営業で来訪された。もっと違うものを待っていたんだけど、、、と思いつつ、裏へ回ろうとされるM1氏に、どうぞぉ、こちらからおはいりくださーい、と声をかけた。
 RICOHが始めたプロバイダ・サービスと、ホームページ作成サービスの魅力的な提案をうかがった。へぇ便利ですねぇ、でも、まぁ高嶺の花ですねぇ、すみませんが、ニーズがありませんので、、、そうですか、、、というやりとりがあって、沈黙の一瞬、電話が鳴る。「来たか?」
 市立福山中の繰り上げ合格通知期間はきょうが最終日、かかってくるとすれば、T君。「すみません、ちょっと大事な電話かもしれないので」と、ダブルM氏に断りつつ、受話器をとると、まさに、T君のお母様、「先生、今、ちょっといいでしょうか」のお言葉、あれぇ、なんか予想したテンポとちがうなぁ、と思いつつ、努めて冷静に「はい、結構ですよ」と、はやる心をおさえつつ応答した。
 「実は、さきほど、市立から、、、」と聴いた瞬間、心が弾けてしまった、大声で叫んでいた。「来ましたぁ?やったぁ、おめでとうございます!すごいじゃないですか。きょうが最終日だから、もうどうしようかと思って、、、昨日もF君のご両親たちとT君のことを心配していて、いやぁ、もう朝からドキドキで、、、」と何をどう話したのか、覚えていない、この後の記憶が正直言って飛んでいる。確か「実は、金曜日に、近大福山中からも「難関」に繰り上げって話があって、どちらを選ぶべきか、、、」というご相談を受けたあと、本人と代わっていただいて、また、絶叫!「やったなぁ、おめでとう、すごいじゃないか!」と、十二連発銃両手撃ちのガンマンよろしく祝福の言葉をあびせかけ、あびせかけ倒して、はぁはぁ言いながら受話器を置いた。
 席に戻ると、ひとりで勝手に興奮の坩堝と化した僕のありさまに、唖然とした表情のRICOHのM1氏が、「いやぁ、すごいですね、僕は両親からも今みたいな祝福を受けたことはありません」というお言葉、はぁ、すみません、かくかくしかじかで、と事情を説明して、いやぁ、本当にすみませんでした、失礼しました、と、礼を失した振る舞いを謝罪した。それでも内心の興奮は冷めやらない。「いえ、幸せの一部をいただいたみたいで、、、」とあたたかくご了解いただいた。そして、何かまたあたたかいお言葉をいただいて(思い出せない)、退席されていった。
 「来た!」のだ。今次中学受験で、その積み重ねてきた努力に比して、もっとも苦戦し、もっとも苦闘し、もっとも苦しみに耐えていた彼に、やっと朗報がとどいた。心の底から祝いたい。期日最終日、幕切れにふさわしい劇的感動をいただくことができた。小6の授業冒頭、T君の合格をみんなで拍手して祝った。

 午後7時
 ギャングスターズ4人を人払いした02教室に呼んだ。
土・日に集まってゲームに興じることを一切禁止する、塾帰りにたむろってダベルことも禁止する。君たちはやりすぎた。節度を失っている。四人全員に悪影響が出ている。だから、君たちがそろってその学習努力を認められる日が来るまで、一切ゲーム禁止だ。
Aは、毎日学校帰りに塾によって宿題を片付けてから帰宅する。学年末テストでは学年順位を50番以内にする。
Bは、飛び級の飛び級を行う。火曜日、金曜日の英語の授業に参加する。その日は学校の傍用問題集も持ってくる。いいテキストだから、一緒にやろう。
Cはとにかく毎日塾に来る。クラスの降格を絶対阻止する。
Dは、学校の定期試験で平均95点をとる。
何か意見はあるか。ないな。じゃぁ納得したか。よろしい。では、明日から実行だ。学年末試験にむけて心機一転心をいれかえて、態勢を立て直すぞ。わかったな。よし、じゃぁ、解散。
 全員、素直に頷き、神妙な面持ちで授業にもどった。

 入試対策に集中してきたエネルギーを、平常授業にシフトチェンジする作業を始めた。今まで、ぼんやりと知覚しながら、明瞭に意識して来なかった作業領域に具体的な解を求めて働きかける。塾屋の権力をためらわずに行使する。

 シターモとモッチィはきょうもよく頑張った。高3・T君、F嬢もよく励んだ。受験生たちの試練もまだまだ続く。

 明日も頑張ろう。
 
 明日は午後1時オープンです。