聞き覚えのある声がどこからともなく

授業を終了して、別室で補充の演習をしている子に二次関数のグラフを説明していると、どこかで聞き覚えのある妙に甲高い声が聞こえてくる。

「なんじゃぁ」と思ったら、自分の声だった。

生徒が、授業をICレコーダーで録音していた。聞けば、解説スピードが速すぎてノートをとっていると解説を聞き逃すのだ、そうな。

「やっちまったか」と思った。

時々、授業中、一種のトランス状態に入って、マシンガン・トーク炸裂で解説をぶっ飛ばし、あれも言わなきゃ、これにも触れなきゃ、ここも押さえておこうと、欲張り過ぎて過剰説明に陥り、超高速授業になることがある。

なまじお行儀のよい高校生のクラスなだけに発生しやすい。小学生や中学生だと、必ず誰かがブレーキになって、「何度言えばわかるんだ!」と言わなければならないほど、同じことを何度も何度も確認し、何度も何度も練習する。

今夜はちょっと反省。

春は反省ばかり、いや、明日は、それだけきっといい授業ができる、と考えよう。